
東京での新しい住まいを考える場合、駅周辺の利便性や治安などを考慮して決めることになると思いますが、特に重要視するのは「電車の混雑状況」や「家賃」。更に「街の雰囲気」も気になるところです。
そこで今回は、東西線の混雑状況、家賃相場について検証すると共に、東西線はどんな駅があるのか、実際に東西線の全ての駅に降りてみましたので、駅の特徴や雰囲気など住みやすさについても合わせてご紹介いたします。
東京メトロ東西線とは
そもそも東京メトロ東西線は、東京の地下鉄の路線の1つ。「東西線」と名乗っているとおり東から西に走る電車になります。
ラインカラーはスカイブルーで、東は千葉県の「西船橋」から、西は東京都の「中野」までの30.8キロ。以下の合計「23駅」からなる路線です。
- 中野(なかの)
- 落合(おちあい)
- 高田馬場(たかだのばば)
- 早稲田(わせだ)
- 神楽坂(かぐらざか)
- 飯田橋(いいだばし)
- 九段下(くだんした)
- 竹橋(たけばし)
- 大手町(おおてまち)
- 日本橋(にほんばし)
- 茅場町(かやばちょう)
- 門前仲町(もんぜんなかちょう)
- 木場(きば)
- 東陽町(とうようちょう)
- 南砂町(みなみすなまち)
- 西葛西(にしかさい)
- 葛西(かさい)
- 浦安(うらやす)
- 南行徳(みなみぎょうとく)
- 行徳(ぎょうとく)
- 妙典(みょうでん)
- 原木中山(ばらきなかやま)
- 西船橋(にしふなばし)
1日平均輸送人員は地下鉄の中で最も多い路線。更にJR中央線の三鷹までと、JR総武線の津田沼、東葉高速線の東葉勝田台まで直通運転を行う路線になります。
電車の混雑状況について
まず電車の混雑状況ですが、国土交通省が発表した2023年度の「東京圏における主要区間の混雑率」のワーストは以下のとおり。
かつて東西線は混雑率ワーストの常連で、東西線の木場~門前仲町間は混雑率199%とかなり混雑しておりました。その頃からすると改善されてきています。
ちなみに混雑率が100%を超えると以下の状態になります。
- 混雑率100%:定員乗車で吊革を持って立つ状態。
- 混雑率150%:肩が少し触れる状態。
- 混雑率200%:体が触れ合い相当圧迫感がある。
- 混雑率250%:身動きができず、手も動かせない。
私は上京して始めは葛西に住んでいましたが、当時あまりの混雑で嫌になり直ぐに引っ越しました。(泣)西船橋から門前仲町まで降りる人がほとんどおらず、乗車する人の方が圧倒的に多いので、疲労感や緊張感が増して5分が長く感じました。
近年混雑は緩和されてきているものの、西船橋から中野方面の電車を利用する場合に「木場~西船橋間」は、混雑しトラブルの多い区間でもありますので基本的に住まいの候補から外した方が良いです。なお、西船橋や妙典も始発にはなるものの、始発電車の本数が少なく座席争奪戦になります。
一方で、中野から西船橋方面の電車を利用する場合「中野〜大手町」の混雑率は100%前後となり、通勤・通学は比較的ラクです。
駅の特徴&家賃相場(中野〜茅場町)
続いて家賃相場ですが、一般的に東京の家賃相場は「西高東低」と言われており、山手線を中心に西側が高く、東側が安くなっていると言えます。
東西線においても同様に、大手町を中心として西側の駅は家賃が高く、東側の駅は比較的安い傾向にあります。以下に東西線各駅の家賃相場を掲載しておりますのでご覧下さい。(家賃相場は、不動産情報サイトの「アパマンショップ」「スーモ」「CHINTAI」の3社が掲載している家賃相場表を元に平均値を計算し独自に算出したもの。(2025年3月現在))
また東西線においても、駅によって街の雰囲気が全く変わってきます。東西線の各駅に実際に降りてブラブラと歩いてみましたので街の特徴や雰囲気も合わせてご覧下さい。(サイト運営者の勝手な印象です。(苦笑))
まずは中野から茅場町までの駅。
【中野(なかの)】

中野ブロードウェイに代表されるサブカルチャーの街の印象がありますが、実は、衣・食・住のバランスが良く東西線の中では住みやすい街です。中野サンモール商店街、中野マルイ、島忠などお店が充実しています。また、東西線の始発駅で座って通勤・通学できるのが嬉しい。
【落合(おちあい)】

始発駅の手前の駅であるため、1日の平均乗車人数が東西線の中で一番少ない街です。駅周辺には飲食店が少なく一本路地を入ると住宅街となっています。隣の中野や高田馬場と比べてかなり静かな印象。また駅前の道路には2本の謎の塔があり、何なのかと調べてみるとグッドデザイン賞を受賞している首都高の「換気塔」があります。
【高田馬場(たかだのばば)】

通称「馬場(ばば)」。飲食店が多くサラリーマンや学生が飲み会で訪問することが多く、金・土曜日の夜は荒れて日曜日の朝は疲労感が街に漂っています。JR山手線や西武新宿線の乗り換え駅となることから、大きな街で雑多な印象があります。
【早稲田(わせだ)】

名前のとおり早稲大学があり学生が多い街です。学生街なので安いスーパーや飲食店が多くあります。騒がしくて住みにくいと思いきや、大学と逆側は静かな住宅街となっており、社会人も多く住んでいます。家賃も安く意外と静かで住み心地は好評。
【神楽坂(かぐらざか)】

元は花街で石畳の路地裏には名店も多い街です。フレンチや和食のお店が多く美食の街で、散策していると新しいお店が発見できて街歩きが楽しいのが魅力。神楽坂は景観規制があるため高い建物はなく、一本路地を入ると住宅街で賃貸マンションも多くあります。
【飯田橋(いいだばし)】

東京メトロ東西線、有楽町線、南北線、都営大江戸線、JR総武線の乗り換えが出来るターミナル駅になります。ラムラは住宅、オフィス、店舗からなる複合施設で、その先駆けとも言うべき建物。複合施設の人気により飯田橋も発展してきたため、飯田橋にも住む場所は意外とあります。
【九段下(くだんした)】

靖国神社があるため、終戦記念日が近づくと機動隊が出動して物々しい雰囲気になります。また、靖国神社の隣には、毎年ニュースで取り上げられ全国的にも有名な桜のスポット「千鳥ヶ淵」があります。そもそも住宅はあまりないエリアで、住むとすれば九段下駅と飯田橋駅の間くらいになります。
【竹橋(たけばし)】

駅に着くと「竹橋~♪毎日新聞社前です~♪」とアナウンスされるため、毎日新聞社のイメージが強くあります。こちらは賃貸マンションはないエリア。駅周辺には東京国立近代美術館や国立公文書館があるほか、皇居ランのランニングコースとなっているため多くのランナーが走っています。
【大手町(おおてまち)】

丸ビルや新丸ビルにイメージされるお洒落なオフィス街です。周辺には丸の内駅舎、二重橋、丸の内仲通りなど観光スポットも沢山あります。また、大手町=東京駅ですので、多くの電車が走る東京の玄関口です。周辺に賃貸マンションはありません。
【日本橋(にほんばし)】

銀行や証券会社が多くある金融街となります。江戸時代には商人が軒を連ね発展してきたことから、三越や高島屋などの百貨店やコレド室町などがあります。東西線の日本橋駅周辺には賃貸マンションはほとんどなく、日本橋周辺に住みたい場合は、茅場町か最寄り駅が日比谷線人形町駅の「人形町エリア」がおススメとなります。
【茅場町(かやばちょう)】

東京証券取引所がある証券の街で、喫茶店に行くと「1,000万円の取引で~、1億円の取引が~」など怪しい取引の話をしているお客さんもいます。かつては少し怪しい雰囲気があり、土日は株取引の休場日のため閑散としていましたが、近年、東京証券取引所周辺の再開発でオシャレなカフェやレストランが増え土日も賑わっています。
駅の特徴&家賃相場(門前仲町〜西船橋)
続いて門前仲町から西船橋までの駅。
【門前仲町(もんぜんなかちょう)】

通称「門中(もんなか)」。富岡八幡宮があり商店街は多くの観光客で活気に満ちています。下町情緒のある街で「江戸っ子」と言った感じです。大江戸線も走っており乗り換え可能です。
【木場(きば)】

かつて程は混雑はしなくなったものの、木場→門前仲町間は混雑率148%と東西線で一番混む区間です。駅周辺にはイトーヨーカ堂が入る大型ショッピングセンターや木場公園があるのは嬉しい。
【東陽町(とうようちょう)】

江東運転免許試験場があるため、免許更新の際にお邪魔することになります。駅前は交通量の多い永代通りがあり狭い歩道にチェーン店や個人が経営する小型の店舗が並びます。マンション、オフィス、店舗様々なものが混在し雑多な印象があります。
【南砂町(みなみすなまち)】

元々倉庫や工場地帯であったため、駅前に店舗はほとんどなく物寂しい感じです。南砂町は駅前に商業施設が集中する街のつくりではなく、少し離れた大通り沿いにイオンやショッピングセンターのスナモなどが点在します。
【西葛西(にしかさい)】

東京23区で最もインド人が多いエリアです。インド料理店、インド人学校、寺院などインドの関連施設が沢山あるほか、西葛西のガンジス川と言われる中川があります。老若男女様々な人が住み国際色ある街。ちなみに電車はここから地上区間になります。
【葛西(かさい)】

駅の高架下に地下鉄博物館があります。朝のラッシュでダイヤが乱れると、入場制限で駅に入れない人々で溢れることも。駅周辺は住宅が立ち並び交通量も少なく家賃は安いエリアです。近くにはイトーヨーカドー、島忠ホームズなどもあります。
【浦安(うらやす)】

ここから千葉県になります。ディズニーランドへは駅からバスが出ており25分程で着くディズニー好きにはたまらない街。また快速が停まり大手町まで16分とアクセスが良いことから、東西線の中では賃貸物件が一番多くあります。
【南行徳(みなみぎょうとく)】

人が少なく落ち着いた印象のホームタウン。そのため日曜日の夜は人がいません。快速が停まらないこともあり東西線内で家賃が安いエリアとなります。
【行徳(ぎょうとく)】

駅周辺にドン・キホーテがある他は少し雑多な印象。また、駅から南に30分程歩いた場所には行徳港があり、ハゼ、カレイなどが釣れる釣りスポットがあります。
【妙典(みょうでん)】

始発電車があるのが最大のウリで早めに並べば座って通勤・通学できる可能性があります。妙典の駅は2000年に開業した新しい駅で、街は綺麗に整備されており、駅前にイオンや映画館が入る大型ショッピングセンターもあり便利。
【原木中山(ばらきなかやま)】

1日の平均乗車人数が東西線の中で落合に次いで二番目に少ない駅です。高架下にある「メトロセンター原木中山」以外にはお店はほとんどなくかなり静か。快速が停まらないこともあり東西線内で家賃が安いエリアとなっています。
【西船橋(にしふなばし)】

千葉から東京へ向かう際のターミナル駅であるため人が多く雑多な印象があります。本数は少ないものの時間によっては始発電車があるので、早めに並べばラッシュ時でも座って通勤・通学できる可能性はあります。
東西線沿線の家賃の注意点
以上のとおり、大手町を中心として西側の駅の家賃が高くなっています。
中野は東西線の始発駅のため座わって通勤・通学が可能で、高田馬場はJR山手線や西武新宿線が走るアクセスの良い駅であることから家賃は高めです。ただ、間に挟まれた落合は交通の便が悪いことから西側の中でも家賃は安くなっています。西側であっても交通の良し悪しで家賃が割安になります。
また大手町から東側の駅ですが、比較的家賃が安くなっています。その中でも「南行徳」「行徳」「原木中山」が特に安いのですが、これらの駅は「快速が停まらないこと」や「始発駅ではないこと」が理由で安くなっています。
東西線沿線の傾向としては、大手町から西側の駅は家賃が高い分電車はそれ程混みません。一方、東側の駅は家賃が安い分電車はかなり混みます。
「東西線全駅を歩いて検証!電車の混雑状況&家賃&街のリアルな住みやすさを大調査!」のまとめ
これまでの内容をまとめると以下のとおりとなります。